【レース鳩は文化だ!】
Jan Aarden愛好家の『レース鳩の作出観』
私は、まだまだ飼育経験もレース経験も浅く、翔歴にしても先輩方の比ではありません。ひとつ言えることは、多くの鳩飼いと同様に”レース鳩が好きだ”ということです。日本のレース鳩飼育・競翔とヨーロッパ(べルギー・オランダ等)を比較すると何かそこに違いを見出すことが出来るのではないかと思っています。日本の飼育者でもヨーロッパに引けをとらない取組み(作出・競翔)をされている方も多々いると思います。ただ、どうも根本的なところで『レース鳩の作出観』に違いがあるように思っています。
鳩レースをする以上、優勝したいしエースピジョン鳩も作りたい。これは多くの方の共通する目標だと思います。ただ、スタイル(羽数や目標距離など)や目標(優勝やエースピジョン鳩など)は人それぞれで多岐にわたってよいと思っています。そのような中で『作出』という取組みを掘り下げたいと思います。
鳩レースをする。これを分類すると次のように分けられます。1、作翔する 2、使翔する 3、委託するです。いずれも『作出』が絡んできます。親がいれば(選手でも可)『作出』はできます。問題は、そこにどんな意図を見出すことが出来るかです。『作出』=交配・配合は、一般的に次のような分け方をしてます。インブリード(近親交配)とアウトブリード(異血交配)です。自鳩舎で良い成績(何位などという定義はできない)をあげた鳩をいかにして自鳩舎の血統構成に絡ませて行くか。そこが『レース鳩の作出観』の基盤となるところです。まずは自鳩舎の”飛び筋”を見つける作業を第1義的に行う必要があるのです。
その後第2義的に考えなくてはならないのは,いかにしてその”飛び筋”の遺伝子を子孫に伝えていくかです。”飛び筋”の何がそれを支配しているのか?体型・骨格・主翼,副翼・目の色素・頭脳etc.飛んだ鳩=成績をあげた鳩の形態的特徴を良く観察しなくてはなりません。
*「飛び筋」とは*
「飛び筋」という表現を鳩界(鳩飼いの間)では良く耳にします。うちではこのペアは「飛び筋」ですとか、このトリのラインが「飛び筋」ですとか、または、地元の「飛び筋」です。などが多く使われる例でしょうか。ある鳩舎で優勝鳩やエースピジョンまたは入賞鳩が出たとき、同じような系統やそのトリの血統書に必ず出てくるトリがいる場合に使われる表現です。いわゆる「当り配合」もこの範疇に入るものと思われます。
レースで強いといわれる人は、必ずこの「飛び筋」や「当り配合」を持っているといわれます。それだけに鳩レースを楽しむ際に、「飛び筋」を見つけることや「当り配合」を見つけることは必要であるし大切なこととなります。もっとも、どのレベル以上を「飛び筋」や「当り配合」とするかは人によって違いますが、基本的な考え方は同じものと私は思います。
*飛び筋の見つけ方*
初心者や平均的な規模の鳩舎(ここでは選手舎3坪・種舎3坪とする)以下では、上述の「飛び筋」や「当り配合」を見つけることは、偶然の産物に近いものがあります。特に、少羽数の鳩舎の場合はなおさらではないでしょうか。実際に、秋のスタートが2籠(30羽)クラスの人で何羽も優入賞鳩が出ることは稀です。もしいるとすれば、その人はすでに「飛び筋」や「当り配合」を持っている方ではないでしょうか。
以前『自鳩舎のエリート』という言葉を使いましたが、その判断基準は何でしょうか。多くのベテランの方がそのことについて以下のように言っています。
「若鳩をレースに使い、1ないし2シーズンで同一鳩が2〜3回自鳩舎トップまたは上位で来た時」そのトリがエリートだと。したがって、「飛び筋」の見つけ方としてはまず、レースに使わなければなりません。そして、同一鳩ではなくても同一系統(ライン)が2〜3回自鳩舎トップまたは上位で来た時、それが「飛び筋」の第1歩となるのです。ここで大切なことは、他鳩舎との比較(速い遅い)は問題ではありません。あくまでも自鳩舎内での話です。
鳩の飼い方は10人いれば10通りあります。自分の飼い方にあったトリでなければ自鳩舎の「飛び筋」にはなれないのです。自鳩舎でトップになれない鳩が,連合会や連盟の上位に入賞することはありまえん。
ただ、手っ取り早い方法として他鳩舎の「当り配合」そのものを手に入れ、作出するとうそのように成績があがると良くいいます。しかし、「当り配合」はそうそう手放すことはないのでそのペアが年寄りでもないと手に入れることは難しいでしょう。
*自分の目指す鳩創り*
2007年の東日本GNレースで連合会優勝,連盟総合5位に入賞した鳩がでた。この鳩のラインで自鳩舎の長距離ラインを構築しようと,2009年の作出から本格的に取り組んでいる。具体的には,2008年生れの直子と孫を種鳩に降ろし,近親交配で作出を試みた。また,自身は銚子地区のGNで実績のあるラインと交配した。また,2010年の作出に向けて,ダイヤモンドバーカー系の雄を導入した。
この優勝鳩=”プライマリーGN”のBodyはなかなかのもので,直子でも同じようなBodyの鳩は今まで生れていない。2005年生れのこの♀も来年は5歳。そろそろ基礎鳩として君臨して欲しいと祈るのだが・・・。(2009.08.18)
“PrimaryGN” 05LC08546 BC 金野 彰鳩舎 作出 アスカロフト 使翔 2006年GP750k 2007年地区N700k, GN1100k 平成千葉連盟総合5位 東日本総合119位 |
父)03OA46824
BW 一番ロフト 作 金野・道下鳩舎共同作出
母)01OX00498
BC
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祖父)“GNサミット” 祖父)93OH21745
BC 祖母)95OH23306
BC |
―― Jan Aarden 愛好家――